- 書いてくれた方★
- 20代(女性) / ペット種類:柴犬
投稿内容
私が生まれてまもなく、祖母の近所の柴犬が子供が生まれたと言って貰われてきた愛犬。
おばあちゃんっ子だった私は、自分の家で飼ってるのとほぼ同じような感覚で共に育ってきました。
尻尾を触られようが、近所の子供に意地悪されようが噛み付いたりしないとてもいい子でした。
私と幼い時から育ってきたせいか、私をとても守ってくれる存在でした。
気付けば必ず車道側にいてくれたり、泣いていたり悲しんでいる時にはすぐに察知してただ隣にそっと寄り添ってくれていたりと、今思うと本当に正義感の強い子でした。
ずっと一緒にいたせいか、漠然と私が死ぬまで一緒のようなきがしていました。
私も大きくなり、引越しがあり、祖母宅にあまり顔を出さなくなる日が増えました。
それでも帰ると、いつでも変わらず「おかえりなさい」とでもいうように飛びついて来てくれました。
そんな事もありお別れの日など全く頭にも浮かぶことが無かったのです。
ある日、「S(愛犬の名前)がそろそろ危ないから会いに来てあげてほしい」との連絡が祖母から来ました。
もう吠える元気も立ち上がる元気もなく、餌もほとんど食べれないと言います。
気付けばもうおじいちゃん犬。
初めて、お別れを意識しました。
早く行ってあげなきゃと思いつつその事実が受け止められず数日がたち、ようやく訪れると玄関には愛犬の姿。
「おまたせ!ただいま!」と声をかけると、立ち上がれないものの尻尾を振り一声鳴いてくれました。
一家でびっくりするほど元気な声でした。
その後、私が餌を持ってくと食べてくれ、元気な姿を見せてくれたので「もう少し大丈夫かもね」と、みんなでほっとし、私は翌日学校があったので帰宅しました。
「また来るから、待っててね」その言葉に尻尾を振ったのを見たのが最期の愛犬の姿でした。
帰宅途中、急に祖母から携帯に電話が来ました。
「どうしてたのー?」なんて、呑気に出たら電話口から祖母の泣きじゃくる声。
背後では祖父の嗚咽も聞こえます。
私が帰ってまもなく愛犬は息を引き取ったそうです。
私が会いに行く数日間、必死に待っててくれたんだと思うとひと目もはばからず駅前で涙が溢れました。
尻尾を降ってくれたのも、鳴き声を聞かせてくれたのも、餌を無理して食べてくれたのも、全部私を安心させるためだったのでしょう。
誰よりも私が泣くと心配してくれるのが愛犬だったから。
最期と分かっていれば、今までしてくれたこと、守ってくれたこと、たくさん遊んだこと、全部全部お話して「ありがとう」と一言いってあげたかったです。
あの後、誰も次の犬を飼おうとしていません。
彼は我が家の誇りで替えのきかない唯一の存在であり続けます。
今も、また、彼にどこかで会えるのではないかと期待をどこかで持ってしまう自分もいます。
「ありがとう」たったその五文字を、彼に言ってあげれなかったことが唯一の心残りですが、私のことを誰よりもわかってくれていたので伝わっていることを切に願います。
体験談の投稿ありがとうございましたm(_ _)m。
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