書いてくれた方★
50代(男性) / ペット種類:ビーグルと猟犬の雑種。

投稿内容

長男が小学校3年の時でした。

転校してしばらく、なかなか学校になじめず彼らしい心が閉ざされそうになっていた時でした。

大きな学校から山間部の全校生徒40名の学校に転校したのですから無理もありません。

一人砂場で遊ぶ長男は孤独だったのでしょう。

そんな時、近くに住んでいた同級生の女の子が長男を誘いました。

近くの家で子犬が産まれ、一緒に見に行こうと言ったのです。

長男は何度も何度もそこに通いました。

自転車で転んで腕にひびが入りギブスをしても毎日歩いてそこに行きました。

ある日かしこまって私と妻に向かって言いました。

「僕が面倒を見るから犬を飼っていい?」と。

その時にはもう母犬の飼い主の了解を得ていたようです。

「あげるよ」と。

我が家に彼が犬を抱いて連れて来た日、子犬はまるで母親を恋しがるようにクンクンと鳴き続けました。

長男は添い寝までしました。

その日から新しい生活が始まりました。

「ラッキー」と子供たちが名づけました。

すくすくと育ったラッキーは猟犬の血を引いていたらしいのです。

雌犬でしたが、とにかく元気でした。

運動会の当日、保育園の年長さんの二男はラッキーを連れてグランドに行きました。

ラッキーは嬉しかったのか突然グランドを走り始めました。

あまりの元気さに二男は引っ張られ、グランドに入りました。

運動会はストップしました。

長女も、とてもラッキーを可愛がりました。

頬ずりしていました。

転勤で別の場所に移り住みました。

もちろんラッキーも一緒です。

番犬として活躍しましたが、よく吠えるので隣人から「もっと躾けをしてください」と言われたほどです。

群れを守る本能だったのでしょう。

楽しい日々も終わりを迎えました。

散歩に連れて行った長男が言うのです。

「ラッキーは散歩の途中で急に足を曲げてへたばってしまうよ」と。

間もないある日、来客には必ず吠えるラッキーが前足を前に出し、その上に顎を乗せ、腹這いになっているのです。

顔も何となく白っぽく見えました。

私は尋常ではないと思い、すぐに近くの動物病院に連れて行きました。

診察した医師が言いました。

「心臓弁膜症です。

重篤です」と。

私は流動食を与えました。

食べる回数が減りました。

うつ伏せになったまま何も食べなくなりました。

とうとう呼吸だけになりました。

ある日ラッキーは静かに息を引き取りました。

高校2年になっていた長女が帰って来ました。

長女は号泣しました。

長男は大学生になっていました。

急きょ帰って来ました。

彼は言いました。

「死んだら何にもならないじゃないか」と。

子供たちとペット霊園に行きお別れをしました。

遺骨は我が家の仏壇の横に安置しています。

私たち家族に喜びを与え続けてくれたラッキーは私たちの心にずっと生きているのです。

「ありがとう」、そう何度も言っておきたかったと思っています。


体験談の投稿ありがとうございましたm(_ _)m。

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