書いてくれた方★
30代(女性) / ペット種類:雑種 キジトラ

投稿内容

先日、15歳になった猫が虹の橋を渡りました。
この猫との出会いは、某ショッピングモールでの飼い主募集の伝言板に書いてあったことが始まりでした。
飼い始めて数年経って、私が結婚と妊娠をして面倒が見られなくなってしまったことから、実家の祖母に預けたことでした。
ちょくちょく会いに行ってはいたものの、1か月もの家出をし、きっと私の家に戻るつもりだったのだと思っていますが、私は心を傷つけてしまったのです。
それから、私は出産、産後うつなどで体調を崩し猫に会いに行くことが難しくなっていってしまったのです。
たまに行っても、猫は顔を見るなり怒り出してうなるのです。
何度謝っても許してくれるはずがありません。
猫は祖母になつき、歩いて一緒に散歩や畑まで行っている話を聞きながら、人間として私は最低だなと感じていました。
それから数年後、祖母が亡くなり、猫は自宅に戻った祖母の棺の中をのぞいて、まるで「死」とは何なのかを悟ったようでした。
こんなに慈悲深い猫を、私は傷つけていたのだと痛感しました。
猫の私に対する怒りは、まだ収まらず祖母の死の7年経った春の日まで続いたのです。
その日、親戚一同が実家に集まり祖母の7回忌を執り行っていた時のことです。
猫が現れ、私に撫でてもいいよと鳴くのです。
猫は随分と老け込み、やせ細った体は歯周病によって食事も摂れなくなっていることを聞き知りました。
猫の姿すら拝むことも出来なかった私は、ショックでした。
十数年に及ぶ猫の怒りは、死に向けた準備を始めていたのです。
全てを許し、思いを伝えてくる姿に、立派だなあと感嘆しました。
猫は日本語は話せませんが、思いが伝わってくるのです。
猫が摂れる柔らかな食事を届け始めました。
行くと、どこからともなく姿を見せるようになってくれた猫。今までは、姿をあまり見せてくれなかったのでうれしく思いました。

まだまだ生きていてほしい。
話したいことがいっぱいあるし、私も病気が良くなってもう何年も経ったこととか
猫が困らないためなら何でもしてあげたいし、
何よりもあの日のことを謝りたいと思っていました。
「ごめんね。」
そんなやり取りをしながら、猫と半年過ぎたある日のことです。
平日にもかかわらず、実家に行きたいと思ったのです。
夫も週末にしたら?と言っていましたが、「今」じゃないといけない気がして行きました。
両親と話をした後、車に乗り込もうとしたとき
「にゃあっ」っとしゃがれた声が聞こえ、母が猫じゃないかと
車の下に猫がいて、引っ張り出そうとしても出てこずなんとか出すと
ハッとしました。
「最期なんだ。」
昔から抱っこが嫌いで、上手に抱かれなかった猫が、
抱いた胸の中に頭をすり寄せ、力ない手で服を握ったのです。
猫との最期の話は、感謝であふれていました。
自分ではお座りしていることも出来ない体で歩いてきて待っていてくれたのです。
猫にありがとう、もう心配いらないし、祖母にもそう伝えてほしいって言いながら撫でました。
命の灯がつきそうな猫は私を見上げ耳を傾けています。
この猫を不幸にさせてしまったこと、心配かけていたことが心残り。

猫は翌朝、息を引き取りました。
最期に私を呼んでくれた見えない不思議な力は信じざるを得ません。
お墓に行って、祖母に報告。
「感謝と罪」これは私がこれから出会う生き物すべてにおいて忘れてはいけないことだと思いました。
私の幸せは誰かの不幸の上に成り立っている、感謝は絶対に忘れてはならないと思っています。
猫にもう一度会えることが出来たなら、できなかったこと、してあげたかったこと全部したい。
もう一度だけでいいから一緒に生活をしてみたかったです。

今は叶わない願いだけれど、必ず虹の橋まで迎えに行くね。
そうしたら、ずっとずっと一緒にいようね。


体験談の投稿ありがとうございましたm(_ _)m。

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