- 書いてくれた方★
- 30代(女性) / ペット種類:シェットランドシープドック
投稿内容
私が彼女と出会ったのは小学三年生で彼女はまだ生まれて5ヶ月でした。
小さい子供にありがちな突然の「犬がほしい!」発言。
それは、両親が共働きだったため鍵っ子だった私の精一杯のわがままでした。
でも、今思えば、これが本当に大親友である彼女と出会うきっかけだったのかもしれません。
子供ながらに毎日どうやったら犬を飼ってくれるのか、何度もお願いしたり、お手伝いしてご機嫌を取ってみたり、本当に必死でした。
最後は結局、両親ともに折れてくれて我が家に犬を迎え入れることになった訳ですが。
そして、ついにペットショップへ行く日。
今でこそネットが普及していて里親募集などのHPが多々ありますが、その当時の私たちは犬を飼う=ペットショップという認識しかなかったので父が見つけてくれたペットショップへ行くことになったのです。
両親が仕事を終えて帰ってきた車にそのまま乗り込み、雨の中の夜の道を走ったのを今でも憶えています。
父は犬を飼うならゴールデンレトリバーと決めていたらしく(懐っこくて賢いからだそうです)、店に入ってすぐのケージにいたゴールデンにすっかり夢中のようでした。
一方母は、幼少期からずっと犬を飼っていたので「この犬種!」とかではなく、実際に会って、触れて、遊んで、「この子だ!」って直感で思う子にしなさいみたいな感じでしたね。
そんな母の言葉が影響したのかどうかは分かりませんが、私は「彼女」を見つけてしまったのです。
ゴールデンが入ってすぐの一番目立つ場所、他の子犬たちも人の目に付きやすい配置で置かれている中、隅のほうに小汚いケージに入れられた一匹の犬。
「シェルティ♀/7ヶ月」と書かれたケージの柵に前足を掛け、一生懸命に私を見つめてきました。
腰が折れるんじゃないかってくらい振られる尻尾。
そして、7ヶ月とは思えない大きさ(笑
私が近づくと、離れたくないとばかりに私のお腹に鼻をぐいぐい押し付け、これでもかってくらい舐められました。
そういえば、大きくなってもその甘えん坊名なところは変わらずでしたね。
彼女の前から一歩たりとも離れない私。
もう、誰が何を言おうと私の中は「彼女」でいっぱいでした。
ですが、既に店の中では父と店長さんとの間に契約書が交わされておりました。
幼いながらにも、なんとなくアレが終わったらもう彼女には会えないって分かったんでしょうね。
私は人前で泣いたりするような子供ではなかったのですが、まさかの大泣きしました。
しかも声をあげて泣く訳でもなく、噛み締めながら(笑
何がそこまでさせたのか、実は今でもは分からないんですが彼女と離れ離れになるのは絶対に嫌だったんです。
それに驚いた両親、というより父はゴールデンの契約書を取り消して「シェルティ♀/7ヶ月」を我が家に迎え入れてくれました。
後から聞いた話ですが、彼女は生まれつき体が大きく売れ残ってしまった為、あと数日で他県の業者へ送って処分を検討されていたらしく、父は帰り際に店長さんから「死んだら、また別の犬を”買い”に来てください」と言われたそうです。
これは今でも残っているペット業界の闇の一部かもしれませんね……。
因みに、彼女の迎え入れが整うまでに何度か通ったのですが、ゴールデンはその際に何度か顔を合わせたご家族の元へと迎え入れられました。
彼女は我が家にやってきたその日から「もも」という、私の大親友になりました。
それは、社会人になってからも変わらず、大親友の「もも」はずっと私の隣に居てくれました。
遊ぶときも、眠るときも、お風呂に入るときだって一緒でした。
時には喧嘩をしたり、互いに困らせあったりもしました。
……同レベルだったのでしょうね(笑
私が仕事で遅くなったときには、眠いだろうに玄関で待っていてくれたり、休みの日には一緒にお昼まで寝たり、今でも「もも」と一緒に居た日々を鮮明に覚えています。
大親友の「もも」と一緒に過ごせた17年間は、楽しいこと・嬉しいこと、もちろん悲しいこともありました。
ですが、この思い出が今、私の中にあるのはあの出会いがあったからこそです。
これを読んでいる方には感動秘話でも深イイ話でもないかもしれませんが、私にとっては絶対に忘れられない記憶です。
きっと、これからも忘れることはないですし、彼女もとい「もも」は私が死ぬまですっと大親友の「もも」のままです。
体験談の投稿ありがとうございましたm(_ _)m。
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