書いてくれた方★
40代(女性) / ペット種類:ミニチュア・ダックスフンド

投稿内容

昔、オスのミニチュア・ダックスフンドを飼っていました。

名前はタイム(仮名)といいます。

近所のブリーダーさんから譲り受けた犬で、ブラックタンの可愛い犬でした。

ダックスだけあって足が短くて、本当に小さい犬でした。

しかし、度胸だけは近所のどの犬にも負けないくらいで、ある日野良犬の中型犬が散歩でいつも通るとおりをウロウロしていました。

うちのタイムを見つけて、いかにも馬鹿にしたように、唸り声をあげてむかってきたのです。

足が短いし、ケンカが弱そうに見えたのでしょう、しかし実はうちのタイムはケンカするのが今回が初めて、けれど前に20年飼っていてボスの座に君臨し続けていた、老衰で今はもう亡きうちの雑種の飼い犬にケンカの指導を受けていたようで、予想外の動きをしたのです。

なんと自分が小さいのを利用して、中型犬が噛みつく事が出来ないように、中型犬の4本の足の間をググりぬけて逃げ回るのです。

自分の腹の下を逃げ回るタイムに、中型犬は足がもつれてヨタヨタした所をまるで見計らったかのように、タイムが噛みつきました。

すると野良の中型犬は「キャン!」と一声泣いて、脱兎のように逃げ出してしまいました。

それからと言うもの、自信がついたのかますます貫禄を増したタイム。

そんなタイムに恋をするメス犬が現れました。

しかしそれはなんと困難な恋。

相手のメスは「ボルゾイ」という種類の犬でした。

普通にお座りをしていても、立っている人間の腰くらいに頭が来るような大型犬でした。

しかし彼女のタイムへの熱い視線は、見ている人間すらわかるくらい、ウットリとしていてどうみても恋しているようにしか見えません。

タイムが散歩に出る時に、いつもたまたま時間が同じで会う事が多くなり、一緒に散歩するようになったのですが、ボルゾイのメスは大喜びで隣にならんで歩きます。

こんな小っちゃい犬のどこがいいのかは、ある日の出来事でよくわかりました。

ボルゾイのメスは大きな体なのに猫が大の苦手、猫が来ると一目散に逃げるのです。

それを知ったタイムが、ある日の散歩の時に飼い主が見ていてもわかるように、通り過ぎる猫の前にタイムが立ちはだかり、ボルゾイのメスがその後ろに回ったのです。

もう、誰が見ても一目瞭然です。

タイムが堂々として小さな体で、ボルゾイの前に座り込み、猫を威嚇しているのです。

そしてその後ろに大型犬のボルゾイのメス。

傍から見たらどうみても、後ろのボルゾイを見て恐れて猫も逃げるだろうと思える光景だけど、ボルゾイはタイムに視線を落としてウットリしています。

タイムが大好きでボルゾイのメスはお尻を向けてきますが、私は「脚立必要かな。」と言うしかありません。

全く届かないのです。

ボルゾイのメスの片足にしがみついて、腰を振るタイムの姿が痛々しいのを覚えています。

本当だったら、恋人同士のじゃれ合いは微笑ましいのですが、ボルゾイの前足の一発でタイムが吹っ飛んでいきます。

見ている方はせつないかぎりです。

それでもボルゾイのメスはごめんなさいと言わんばかりに、伏せをしてもっとじゃれつこうと加減して工夫します。

そんな困難で可愛らしい恋もうちの父が買ってきた、メスのミニチュア・ダックスフンドの存在によって打ち砕かれてしまいました。

メスのダックスを買ってから、数日でボルゾイのメスは病気になり亡くなってしまいました。

どれだけショックだったのでしょうか、その気持ちをはかり知る事は今はもうできません。

しかし、ボルゾイのメスが逝ってから数年長生きしたタイムも、老衰の為に今はもう居ません。

いまごろはボルゾイの彼女の所に逝って、2人で楽しく暮らしている事を望んでやみません。


体験談の投稿ありがとうございましたm(_ _)m。

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